NPO法人 流域環境保全ネットワーク
淡水魚・汽水魚
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- シロヒレタビラ -

婚姻色がきれいに現れたオス。
婚姻色がきれいに現れたオス。 (東海地方 2005.6.2 ) [ 撮影 © 鹿野 雄一 ]

学名: Acheilognathus tabira tabira
別名:
分類: コイ目 コイ科 タナゴ亜科
分布:

生態:シロヒレタビラは生きた淡水二枚貝の鰓内に卵を産み込むタナゴ類の1種で日本固有亜種です。本亜種は主に河川の流れのある流水域に生息しています。産卵期は4-7月で盛期は5月で、主にイシガイ属(Unioninae)貝類を利用していますが、ある特定の貝種に強い好みを示し、さらに好む貝種も河川間で異なります。例えば三重県櫛田川水系では殻長50 mm以上のオバエボシガイInversidens brandtiを、岡山県旭川水系ではカタハガイを利用している(Kondo et al. 1984; Kitamura 2007)。成熟開始サイズは-- mmで、最大-- mmになります。産卵時の産卵管長は約30 mmで、主に貝の鰓上腔に卵を産み込みます(Nakamura 1969; Kitamura 2007)。卵サイズは-- mm3で、卵形は丸く(約長径-,短径- mm)、よう卵数は最大--である(北村,未発表)。

生息地と個体群の現状:本種は、現在でも比較的良く生息している生息地はあるが、改修された水路では姿を消しており、絶滅が懸念される。

保全対策と活動:三重県櫛田川水系のある河川では、地元保全団体による活動が行われ、乱獲を防止している。

その他:別亜種としてキタノアカヒレタビラ、ミナミアカヒレタビラ、アカヒレタビラ、セボシタビラがいる。

レッドデータ:絶滅危惧II類(VU)

文: 北村 淳一

  • 参考文献
  • Kitamura J.(2007) "Reproductive ecology and host utilization of four sympatric bitterling (Acheilognathinae, Cyprinidae) in a lowland reach of the Harai River in Mie, Japan." Environmental Biology of Fishes 78: 37-55