NPO法人 流域環境保全ネットワーク
淡水魚・汽水魚
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- イワメ -

上が「イワメ」、下が普通のアマゴ。(許可を得て捕獲、撮影後放流)
上が「イワメ」、下が普通のアマゴ。(許可を得て捕獲、撮影後放流) ( 2005.5.29 ) [ 撮影 © 鹿野 雄一 ]

学名: Oncorhynchus masou ishikawae
別名: 無斑アマゴ
分類: サケ目 サケ科
分布: 三重県・愛媛県・大分県の一部

イワメは模様のないアマゴだが、O. iwameとして新種記載された経緯もある。アマゴ個体群の同じ遺伝子プールから数パーセントの割合でパーマークも朱点もない個体が現れ、それを特にイワメという(イワナとヤマメ(アマゴ)の交雑体も「イワメ」と称されることがあるため、混同・誤記されることがある)。このような現象は日本の数ヶ所でのみ報告されている。

無斑形質は、一般に劣性遺伝するとされ、アマゴ同士の掛け合わせでもイワメが出現する。現在のところ、イワメについての詳細な進化的意義はわかっていない。三重県と大分県の個体群は天然記念物に指定されている。ヤマメでも同様に無斑型がおり、やはりイワメと呼ばれることがある。

レッドデータ:都道府県において絶滅危惧に指定

  • 参考文献
  • Kano Y & Shimizu Y(2006) "Threatened fishes of the world: Oncorhynchus iwame (Kimura & Nakamura 1961) (Salmonidae)" Environmental Biology of Fishes, 78: 215-216
  • Kano Y, Shimizu Y & Kondou K(2006) "Sympatric, simultaneous, and random mating between markless trout (iwame; Oncorhynchus iwame) and red-spotted masu salmon (amago; Oncorhynchus masou ishikawae)" Zoological Science, 23: 71?77
  • 川那部浩哉・水野信彦(編)(1995) "山渓カラー名鑑 日本の淡水魚" 山と渓谷社:東京